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第2話 オーダースーツはいかが
ふう、ダサい、ダサすぎる・・・これではコブラのクオリティが低すぎる。コブラの服を作らなければ・・・。
そうだ・・・あいつに聞いてみるか。
オレは1週間に1度、BNI白鷺チャプターと呼ばれるビジネス交流会に顔を出している。
このBNIの規律が割と厳しくて、オレが銀河系のどこかで海賊ギルドと生きるか死ぬかのドンパチで定例会に参加できなくてもきっちり欠席でカウントしやがる。商売人の集まりのクセに容赦ない。
この会は半年の間で3回欠席するとアウト(除名)になる。
オレは既に過去半年以内で2回欠席してるからもう休めない。
このBNIにはアンチも多いがオレはこのBNIのスピリットが割と気に入っているんだ。
「Givers Gain 与える者は与えられる」ってやつだ。
特にWEB関連は入れ食いだ。
まあこの会の事はまたの機会に書くとしよう。
そのあいつ、とは最近BNI白鷺チャプターに入ってきた鳥形(とりかた)っていう新顔だ。
「・・・あいつに聞いてみるか」
早速オレはヤツの店に向かった。
「あ、もり、いや、コブラさん!ようこそお越しくださいました。コブラさん、こちらへ。なにかお飲みになりますか?」
「そうだな、アイスミルクでももらおうか。」
「買ってきます(汗」
「いや、いいんだ。飲み物は?と聞かれるとなぜかアイスミルクと言っちまう。夜ならマティーニをうんとドライにしてもらうんだが。」
ヤツは表向きはオーダースーツ専門の店をやっていることになっているが、オーダースーツのみだと?ふふふ、オレの目はごまかせないぜ。
「どうだい、景気は!?」
「ええ、白鷺チャプターに入って1ヵ月。少しずつですがリファーラルも出せるようになりました。」
「そうかい、ま、あせんなさんな。」
「ところでコブラさん、今日は何か私に御用がおありなのですね?」
「お前さん、勘が鋭いぜ。オレがアイスミルクを飲みに来たんじゃないってことがわかったらしい。やはりただのオーダースーツの店主じゃないぜ。実はな・・・。」
オレはヤツに前回の酔部屋いつもん床(第1話 復活!コブラ)で登場し、今着ている衣装を見せた。
「プゲラm9(^Д^)コブラさんともあろうお方がこれではいけませんねぇ。よくもまあその格好で当店に来られましたね、恥ずかしいにもほどがある。私なら自分から龍に食われて死にます。」
「だろう?超ダサいんだ、それに身体もスペシャルにだらしがない。これじゃあ街も歩けやしない。」
「街で見かけたなら間違いなく通報しますね、銀河パトロールに。」
「だよなぁ?そこでだ!お前さんに頼みがあるんだ。」
※店内は禁煙です。
「オレの服を作ってくれないか?」
「なるほど・・・。しかしコブラさん、あなたの服はスーツではありませんね?当店はオーダースー・・・」
「おっと!そこまでだ。これだって着るものに変わりはしない。しかも完全オーダーだ。それとも何か?お前さんのその腰に差したハサミは果物ハサミか?」
「くっ…、コブラさん、まだ一度も1to1もしていないのに私の何がおわかりになるのですか?」
「わかるさぁ~。その一糸乱れぬ仕立て具合、完璧に身体にフィットしたシルエット、着る人のシーンを想像した生地選び。こだわり抜いた独自の提案ができるのはこの広い宇宙でもお前さんくらいなもんだ。」
「・・・つまり、あなたの服を作る以外選択肢はないと?」
「そう聞こえたんなら耳は悪くない。」
「ふっ、強引な人だ。海賊ギルドが躍起になるのもわかる。」
「へっへっへ、強引さは生まれつきでね。」
「・・・いいでしょう。その代わりお代の方は高くつきますよ?」
「ああ、となりの兵〇信用金庫でも襲ってくるさ。」
「私はファッション業界が長い。過去様々なお客様に最高の服をお届けしてきました。あなたにも最高のものをお作りいたしましょう。」
「では採寸といきましょう。コブラさんこちらへ・・・首まわりから・・・」
「ああ、たのむぜ」
ヤツのしなやかな腕がオレの首のまわりを巡る。
「コブラさん、次はウエストを・・・」
「はぅっ!」
オレは声にならない声を発していた。
なんだかヤツはキレイな男だ。
それに・・・ヤツはとても、とってもいい匂いがする!
オレは得も言われぬ感覚に我を失いそうになる。
「どうしました?ふふふ、次はふとももを・・・」
「ファーーー!」
しなやかで滑らかなヤツの見事な動きがオレの身体を包み込む。一度だってオレの身体に触れてはいないのにだ。
ヤツの採寸はまるで動けない魔法をかけられたように進んでいく。
「ふふふ、コブラさん、かなりのヲヤジメタボですね。歳は取りたくありませんね。だが心配は要りません。どんな身体にもフィットするスーツを私は作れるのですから。では胸囲を失礼・・・」
なんだ、この感覚は何と言えばいいのだ!?
そうだ!これはまるでバンコランの吐息でイキそうになるマライヒのような感じだ!
「アッーーー!」
「終わりましたよコブラさん」
「いやもうちょっとこのままで・・いや、なんでもない。ありがとう」
「ふふふ・・・コブラさん。これで私があなたを本物のコブラにしてあげましょう。その服で白鷺チャプター定例会に出るのです。そしてビジネスの場にこの服で参加する、あなたのその根性と情熱で、ビジネスごっこをやっている連中の目を覚まさせるのです。」
「ああ、わかったぜ、よろしくな。出来上がりが楽しみだ♪」
「ええ、それまで生きていてくださいよ。」
ヤツなら最高の服を作ってくれるだろう。
次回「第3話 コブラ ザ・アップデート」でまた会おう!
今回MOLARコブラ特集にご協力いただいたお店を紹介します。
【オーダースーツ専門店 EGRET(イーグレット)】
3,000種類以上の生地の中からお客様らしさを最大限に追求したスーツを仕立ててくれるオーダースーツ専門店です。どんな体型の人でもぴったりのスーツができます。
今回はスーツでも何でもないコブラの服を無理やり作っていただきました。(という設定です)
また、スーツの他にもジャケット、パンツ、シャツ、タキシード、シューズの取り扱いがあり、トータルコーディネートもしてくれます。
なお、EGRETは予約制なので、先に電話等で予約してから行ってみてください。
店長の鳥形さんです。
名百貨店のトップセラー、インポートセレクトショップの店長を経て、地元兵庫県姫路市でオーダースーツ専門店EGRETを経営されています。マジ男前!
■オーダースーツ専門店 EGRET
【ホームページ】https://egret-suit.com/
【ご予約電話番号】079-240-6401
【住所】〒670-0965 兵庫県姫路市東延末1-38 1F
【営業時間】営業時間11:00~19:00
【定休日】※不定休
【アクセス】