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第1話 復活!コブラ
「今日も疲れたねぇ~。健全な労働者の一日が終わったぜ。どこかで一杯やって帰るとするか。」 (以下コブラになりきっている。)
「よぅコブラ、久しぶりじゃねぇか。生きてたんだな。」 (コブラになりきっているオッサンの相手をしてくれている。)
「大将あんがとよ、不死身なもんでね。大将、とりあえず酒だ。」
「ほらよ」
オレは太陽系にいるときはだいたい地球のここに来る。 金星の水蜜桃のような美人や土星料理も魅力的だが、ここは海賊ギルドとの血なまぐさい戦いを忘れさせてくれる。
「今日は・・・この酒か。」
■龍力 美酔香泉 純米吟醸[株式会社本田商店]
兵庫県特A地区「山田錦」100%を使用した、やわらかで尚且つふくらみのある米の旨味がよくわかる。なめらかなのど越しのバランスがいい日本酒だ。龍力といやぁ姫路の蔵元としても有名だ。1921年から醸造を開始した老舗の蔵元だ。オレの高校の同級生のいとこの家らしい。
「くぅ~こりゃまた旨い酒だねぇ。二合でアル中廃人になっちまいそうだ。」
「そうかい、じゃこれはどうだ?」
「ほぅ・・・」
「ひねポンだ。これまた旨いねぇ、播州地方名物ってわけだ。これを知らないヤツがいるんだぜ?なんて不幸なんだろうねぇ。」
「しかし今日はやけに冷えるな。こういう夜は温かい汁物が食べたいぜ。そういや小さいころお袋がよく粕汁作ってくれたもんだぜ。」
「へっへっへ、アンタにお袋さんがいたとは驚きだぜコブラ。」
「なんだぁ?オレはこれでも正真正銘の人間だぜ。少なくともコブラと呼ばれる前はな。」
「へっへっへ、そうかい、それじゃあこれでも食いな。」
「大将、なにおっぱじめようてんだい?」
「へっへっへ、オメエさんは黙って見てりゃいいのさ。」
「ほら出来たぞコブラ。」
「ヒュ~、大将こりゃなんだい?」
「知らねえだろうな。これはな、酒粕鍋ってんだ。」
「はっ!こりゃおどろいたねぇ、酒粕の鍋ってわけか・・・」
「そうだ、ヤバいくらいうまいぜ?あとな、ぐるなびの発酵鍋ランキング1位狙ってんだ。是非オメエさんの意見も聞かせてくれ。」
「ぐるなびで発酵鍋グランプリもやってんだ、下のリンクからページに飛んで投票してくれよな!」
■播州酒粕鍋(ばんしゅうさけかすなべ)
1人前:2,000円(税込)
ぐるなび発酵鍋グランプリ 酔部屋いつもん床への投票はこちら!
「なるほどねぇ~、粕汁は知ってるが酒粕鍋ってのは、は じ め て だ♪」
「!!!おい大将、これは・・・。」
「どうだコブラ、宇宙一の海賊、不死身のコブラと呼ばれたさすがのオメエさんでもこれは食ったことがないはずだ。広い宇宙といえど酒粕鍋はここだけなのさ。」
「確かにこれはヤバいね・・・。」
「素材の仕入れには割と苦労してるからな、海賊ギルドと銀河パトロールには内緒だぜ。」
「それじゃぁいただきますか~♪」
「鰤か、脂がのっていい感じじゃないのぉ~!」
「コブラ、もう牡蠣がいい具合だぞ。」
「おお~、牡蠣ちゃんじゃないの!何を隠そうオレは牡蠣ちゃんが大好きなんだ。」
「ひねも食ってみろ。」
「これはさっきのひねポンのひねか・・・身といい脂といい、それにこの歯ごたえだ。噛めば噛むほど脂が旨い。」
「・・・なんだこのまろやかさの中にもそれぞれの具材の出汁がさりげなく主張している・・・それていてそれぞれがまったくけんかしていない・・・けんかどころか混ざり合った・・・まるで、ジェーン、キャサリン、ドミニクの背中のイレズミを合体させてネルソンの秘宝を見つけた時の感じか・・・いや、ドミニクとうりふたつのシークレットに初めて会った時の感じだ・・・。」
「何をわけのわからんことを言ってやがる。そりゃよオメエ、酒粕はよ、タンパク質は牛肉80g分、ビタミンB1はリンゴ3つ分、頭痛に効く栄養素もたっぷりだ。現代病予防、消化器官を助ける、美肌・美容効果もあるんからな!不健康すぎるオメエにゃあピッタリだってことよ!」
「・・・・・・」
「しかしまいったね、この酒粕鍋には。」
「いいかコブラ、一番出汁(昆布に鯖と鰹の削り節)に薄口醤油と味醂で味付けしたっぷりの酒粕をだな、だまがなくなるまでミキサーにかけて合わせるんだ。後は塩と米味噌で味を整えるんだがこの状態ではまだ旨くねぇ。この鍋は具材を入れ炊く事でどんどん出汁が進化し、香りも立ち食欲をそそるんだ!この進化した出汁が食欲だけでなく酒欲もそそるってもんよ!!!」
「なるほどねぇ・・・ん?なんだ・・・、なんだか身体の中心が熱くなってきたぜ・・・どういうわけか体中にエイトビートが響いてきたぜ!!!」
「えっ?いや、そんなに?」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
「オメエなにやってんだ?なんだこりゃ一体!?なんだその左腕は!!!???」
「あわわわわわわわわ、なんだこりゃぁぁぁぁ!!!???」
「帰ってきたのね・・・コブラ。」
「え?何?どういうこと?」
「・・・そうか・・・だんだん思い出してきたぜ・・・。オレは海賊ギルドとの血なまぐさい毎日に嫌気がさし、顔も声も変え、さらには闘争心もしまい込んでいたのさ。ところがこの素晴らしく健康的な酒粕鍋という料理のおかげで、目覚めちまったってわけだ。」
「レディ、人間なんて不思議なもんだな、いざ普通の生活を始めてみると、またどうしようもなくスリリングな世界に戻ってみたくなる。」
「そうよ、サイコガンはもう一人のあなた。あなたはその運命からは離れられないのよ。」
「そうだな!行くぜレディ!」
「オーケー!コブラ!」
「・・・なんやあのジャージにデカいケツ。」
「・・・本物のコブラだったってのか?」
「・・・あっ!おい!食い逃げやんけ!!!!!オッサン、カネはろてんか!!!」
記憶が戻ったオレはとりあえず再び危険でスリルに満ちた冒険の世界に舞い戻ることになっちまった。
どれだけアクセスが伸びるかわからねえが、滋賀のコブラには負けねえつもりだ。
次回「第2話 オーダースーツはいかが」でまた会おう!
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今回MOLARコブラ特集にご協力いただいたお店を紹介します。
【酔部屋いつもん床】
姫路市南今宿にある日本酒と創作料理、そして寄せ鍋、旬の鍋、酒粕鍋と一年中お鍋が食べられる居酒屋さんです。
(店主の福本さん(右)とせりかさん(左))
お刺身、焼き物、煮物など季節の素材と超おいしい出汁でほぼ何でも作ってくれます。
日本酒も常時30種類以上置いてありますので、好きな日本酒に合う料理をリクエストできます。
営業時間も平日は遅めのAM2時まで開いていますので、街のみの帰りにも寄れます。
1Fはカウンターとテーブル席の18席。
2Fは座敷で10名~20名までの団体も利用可能です。
さあ、MOLAR(モーラー)を見た!といってお店に飛び込んでみてください!
コブラは3日に1回くらい行っていますので会えるかも。
■酔部屋いつもん床
【ご予約電話番号】079-293-5299
【営業時間】
月・火・木~土 ディナー 17:00~翌2:00(L.O.2:00)
日・祝日 ディナー 17:00~翌1:00(L.O.1:00)
【定休日】水曜日
【アクセス】