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討ち入り飯って知ってる?

討ち入り飯…そう、赤穂義士が討ち入りの夜、堀部弥兵衛宅に集った大石内蔵助らに出された食事のことらしい。池波正太郎の何かの本に載っている。本当かどうかは不明だがそんな討ち入り飯が食べれる店がある。

どこで食べられるかだって?それはまだあとだ。

「大将、討ち入り飯だあるかい?」

深夜12時にふらりと寄った店は、日本酒がこれでもかとある創作居酒屋だ。

「いけますよ。」

「じゃ、もらおうか。」

赤穂義士が討ち入り前に食べたという討ち入り飯。要は焙り鴨肉入り玉子かけご飯のことだ。

鰹と昆布の出汁、醤油とみりんに砂糖てとこか…。香ばしい香りが店内を包む。

「はい、どうぞ。」

「おおおっ!これが討ち入り飯か!」

鴨肉が鴨の煮汁のご飯を覆いつくす。ネギ、白ネギ、刻みのりに大きな黄身が二つこぼれそうなほどに盛り付けてある。

「大将、すごい量だな。」

「…アンタ、今から討ち入りなんだろ?」

「ふっ…まさか、討ち入りの根性なんかねぇさ」

それにしてもどうだ、この鴨肉とネギ入りの卵かけご飯。記録としては一番古いそうだ。この写真はイマイチだが、カラーバランスは最高だ。

「いただきます」

出陣前の赤穂義士の気持ちに思いを馳せ、ぐっとレンゲで黄身をつぶし、黄身と出汁を少しまぜたご飯をそっとすくってみる。

(手が震えてやがる…完全にアル中だな)

震える手を抑えゆっくり口にレンゲを運ぶ。

「ほぅ…これが…」

(てか討ち入り前はそば食ったんじゃなかったっけ?)

雑念を振り払い討ち入り飯に集中する。

黄身のまろやかな中にも焙った鴨肉の香ばしさ、出汁と煮汁が口の中で混ざり合う。噛めば噛むほど鴨肉の油が黄身にうまくマッチしてくる。

「…やさしい味だな」

まさに赤穂義士の鎮魂にふさわしい。

無意識につぶやいた後は討ち入り飯を一気にかき込んだ。一瞬、大石倉之助の後ろ姿と山鹿流の陣太鼓の音が頭をよぎったのは言うまでもない。

「なるほどな…」

そう言ってオレは店を出ようとした次の瞬間、すごい美人が店に入ってきた。

「……いけますか?」

その美人は消え入りそうな声で大将に問いかけた。

「すいませんねぇ、もう閉店時間で…」

「…そうですか…。」

おいおい大将、なんで断るんだ!?あんな美人めったに会えねぇぜ。

すぐに支払いを済ませ店を出たがもうその美人はいなかった…。

不思議な夜もあるもんだ。

この討ち入り飯が食べられるお店はこちら

酔部屋いつもん床

〒670-0054 兵庫県姫路市南今宿7-26
【予約電話番号】
 079-293-5299
【営業時間】
 月・火・木~土 ディナー 17:00~翌2:00(L.O.2:00)
 日・祝日 ディナー 17:00~翌1:00(L.O.1:00)
【定休日】
 水曜日
https://yoibeya.jp/

この記事を書いた人

shin1ro

1972年式厨二病中年

shin1ro

宇宙海賊コブラと三菱スタリオンとハードロックを愛する1972年式厨二病中年。
コンテンツマーケティングとWEBコンサルティング・デザイン経営を得意とするクリエイティブディレクター3.0。
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